
ママの悩みは子育てについてだけではなく、夫婦関係・人間関係・仕事など多岐にわたりますよね。誰にも言えない悩みがありましたら、ぜひMaliaに話してみませんか?
5歳の娘と3歳の息子の子育てをしています。子どもが間違ったことや良くない事をした時に、つい感情的に怒ってしまいます。後から反省や後悔をするのですが、なかなか上手くいきません。優しいお母さんになれず落ち込みます。
西野先生からのメッセージ
アンガーマネージメントが話題になった時期がありました。怒ってはいけない…ではなく、怒りの感情をコントロールするというスキルです。怒ってはいけないと思うと「怒り」に囚われてしまうことってあると思うんです。怒りの感情は身近な人に対して起きることが多いもので、自分より弱いもしくは小さい者に向けてしまいやすい特徴があります。そして、何よりも余裕がない時です。他人の子どもが同じことをやっても、感情的に怒り出すことは稀どころか減多にないはずです。
心にも体力的にも時間的にも経済的にも余裕がある時には、叱ることはあっても怒ることはほとんどありません。日本の今の子育てにおいて、圧倒的にお母さんに余裕がないと思うのです。自分に「余裕がないんだなぁ。」と意識することって大切です。それだけで感情が早めにおさまることもあります。ただ・・・保育士として子どもと関わっている私としては、保育士はプロとして感情のコントロールは必要だと思っていますが、親御さんは感情的になってもいいと思っています。ただし、瞬間的に!…です。長々と怒り続けることが問題なのです。瞬間的に感情的に怒ってもいい。若干、理不尽でも仕方ない。怒り続けないと決めることです。「それが出来なくて困っている。」というお母さんがいるとしたら、それはお母さん自身が優しさの体験が足りていないのです。 お母さんが優しくしてもらえていない。だから、堂々と優しくしてもらってください。私は子どもに優しくできない保育士も、患者に優しくできない看護士も、その人自身が優しくしてもらえる体験が減ってしまっていると思っています。核家族が増える中、夫婦で癒しあえることもありますが、子育て中のお父さんは職場でも働き盛りで疲れ果てて帰宅する日も多いでしょうから、あまり期待できません。的を外すこともあって、怒りの上乗せになってしまうこともある。
優しさの感じ方は人それぞれで、自分にとって何が優しさの体験なのかを意識しておくことも大切です。鎌倉にある育ちあいの家では「日本一幸せなお母さんを増やす!」という理念の基で活動をしていますが、設立当時にやったことは、温かいおむすびと味噌汁を、子育て中のお母さんに出してあげたことでした。お母さんが求めている「優しさ」って実は、そんな風にシンプルで、まるで小さき花のようなものなのかもしれないと思うのです。それと、お母さんにはお母さんの気質、子どもにも一人一人違う気質があって、その「気」が合うか合わないかもあると思っています。親子であっても「気」が違うんだなぁと諦めてしまうのもオススメです。
育ちあいの家代表・心理カウンセラー
西野奈津子
発達障害児支援活動、講演活動
NPO法人鎌倉育ちあいの家