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【幼稚園の先生に聞く】偏食・食べムラに悩むママへ。家で食べない意外な理由

2026/5/15

夕食のテーブルを前に、手つかずのお皿を見て溜息をつく。そんな経験、ママなら一度や二度ではないはずですよね。
「園では完食しているって聞くのに、どうして家では食べてくれないの?」
「私の料理が美味しくないせい?」
「このまま偏食が続いたら、この子の体はどうなっちゃうの?」
不安とイライラが混ざり合い、つい「一口だけでも食べなさい!」と声を荒らげてしまって自己嫌悪。そんな「食卓の孤独な戦い」の中にいるママたちへ、子どもが「食べない」理由や、食事に対する考え方について、明治学園 羽鳥幼稚舎の西谷洋平先生と村上弥佳先生に話を聞きました。

園では完食、家では拒否。その理由は?

「園では食べるのに、家では食べない。それは実は、お子さんがとっても健やかに育っている証拠なんですよ」(西谷先生)

子どもにとって、幼稚園や保育園は「社会」です。お友達がいて、先生がいて、そこには「僕もみんなと同じように出来るんだぞ」「かっこいいところを見せたい」という、子どもなりの社会性や意欲が働いています。だから、苦手なものでも頑張って口に運ぶし、完食だってしてみせます。

一方で、お家は子どもにとっての「心の安全地帯」です。外の世界で一日中頑張ってきた子が、ふっと力を抜いて、ありのままの自分をさらけ出せる唯一の場所。それが家庭です。「家で食べない」という行動は、その子が家でそれだけリラックスし、ママやパパを信頼して甘えられているからこそできる表現なのです。「食べない」という行為は、実は「ここは自分らしくいられる場所なんだ」という、子どもからの最大の信頼の証。そう考えると、残されたお皿を見る目も、少しだけ変わってきませんか?

心配なのは逆のケースだと言います。「園では残すけれど、家では残さず食べる」という場合。子どもにとって、どこが安心できる場所なのか、少し立ち止まって考えてみることも大切です。

バイキング形式と半分盛り。子どもの「食べたい!」を引き出す2つの魔法

<明治学園 羽鳥幼稚舎では、子どもたちが火おこしや調理にかかわる機会を用意>

幼児期の食事において最も大切なのは、ビタミンやタンパク質の摂取量ではなく、その場の「ぬくもり」だといいます。

「現代の日本で、一日や二日ごはんを食べなかったからといって、すぐに体に大きな影響が出るわけではありません。それよりも、食事の時間が『怖い時間』や『叱られる時間』になってしまうことの方が、子どもにとっては大きな損失なんです」

ママが健康や発育を気遣って「これを食べさせなきゃ」というプレッシャーでピリピリしていると、その気配は料理の味以上に子どもに伝わります。

「お母さんやお父さんの美味しそうに食べている姿を感じること。それが一番のスパイスです。栄養の心配をする前に、まずはお母さんがリラックスして、笑顔で食卓にいること。子どもは、お母さんの笑顔という『心の栄養』を食べて大きくなるんですから」

家庭でも取り入れられる「楽しい食卓」の工夫を紹介します。

・セルフバイキング形式

最初からお皿に盛り付けるのではなく、大皿から自分の好きな分だけ取る方法です。「自分で取ったものは、自分で考え、責任を持って食べる」という意識が芽生え、完食へのハードルが自然と下がります。

・「半分だけ」の盛り付け

ママが食べてもらいたい量の、思い切って半分、あるいはそれ以下を盛り付けてみてください。「これだけなら食べられそう」という安心感が、「全部食べられた!」という達成感に変わります。足りなければおかわりすればいい。その「おかわり」という言葉こそが、子どもの食べる意欲をさらに引き出してくれるのです。

「あと一口」は逆効果?子どもの決断を尊重する「おしまいの約束」

<たくさん動けばごはんがもっと美味しくなる>

「もうお腹いっぱい」と言われた時、どうしても「じゃあ、あと一口!」と言ってしまうことはありませんか。無理に食べさせるのではなく、「子どもの決断を尊重する」ことが大事だと言います。

「もういらない」と子どもが食事を終わらせようとした時は、「わかった、じゃあ今日のごはんはこれでおしまいね」と区切りをつけること。ただし、ここには大切な約束があります。

「おしまいにした後に、お腹が空いたからといってお菓子をあげたりはせずに、自分が食べないと決めたから、次は“お腹が空くという経験”をしてもらうんです。自分が決めたことの結果を自分で受け止める。これもまた、大切な学びの一つです。

実際に幼稚園でも、お友達と遊びたくて食事を切り上げようとする子がいます。その時、先生はお腹がすいて午後からの遊びに影響しないかな?と心の中で思いながら『本当にいいの?』と聞く時もあります。それでも『いらない』と言うなら、その子の決断を尊重します」

そして実際にお腹が空いた時、子どもは「あ、やっぱり食べておけばよかったんだな」と身をもって学ぶのです。大人が先回りして心配しすぎず、子どもの「お腹が空く」という本能を信じて待ってあげる勇気が必要なのかもしれません。

野菜嫌いは「自分を守る本能」。子どもの偏食を否定しなくていい理由

野菜を嫌がる、特定の質感のものしか食べない。そんな偏食も、実は子どもの成長段階における大切なプロセスです。子どもの舌は、大人よりもずっと敏感です。苦味を『毒』、酸味を『腐敗』と感じる本能が強く残っているそう。つまり、得体の知れないものを警戒して食べないのは、自分の命を守ろうとする素晴らしい防衛本能が働いている証拠なんです。

「幼稚園でも、お弁当に白米だけを持ってくる子がいました。その子のお母さんは料理上手で、本当はおかずも入れたかったはずですが、本人の『これなら安心して食べられる』という気持ちを尊重して白米だけを持たせ続けました。年長さんになると、どんどん食べられるものが増えていきました。『食べなさい』と強制されるのではなく、『自分の気持ちをわかってもらえている』という安心感があったからこそ、彼は自分から一歩踏み出すことができたんです」

<お弁当には子どもの「好き」と「安心」をそっと詰めて >

お弁当作りのポイントは2つ。「好きなものを入れること」そして、「まずは食べきれる量より少なめにすること」お弁当の時間は、栄養補給だけでなく、心が満たされる時間でもあります。ふたを開けたときに感じる、大好きなお母さんが「自分のために作ってくれた」という嬉しさが、その後の遊びや生活の力になります。

「今、野菜を食べなくても大丈夫。成長とともに味覚は必ず変わります。のんびりした気持ちで構えていていいんですよ」

今日ごはんを食べなかったからといって、明日のその子の成長が止まることはありません。それよりも、ごはんの時間を笑顔で終えて、寝る前に「大好きだよ」と抱きしめてあげること。それが何よりの「心の栄養」になります。「せっかく作ったのに」という言葉を、「今日は一緒に笑えたから、それでいいか」に書き換えてみませんか。

【取材協力・写真提供】

明治学園 羽鳥幼稚舎

住所:神奈川県藤沢市羽鳥3-10-24
電話番号:0466-36-3528

写真左:主任教諭 西谷洋平先生
写真右:主任教諭 村上弥佳先生

この記事を書いたのは

Maliaブランドマネージャー / Malia shonan副編集長

Nozomi Oka

横浜生まれ、横浜育ち。8歳と2歳のボーイズママ🧑 ライター歴11年。トラベル、グルメ、インタビュー、ビジネスなど幅広く取材・執筆。 2020年に友人と一緒に広報支援の会社・株式会社worg式を創業。 海とお酒をこよなく愛する🍺

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