
波乱のスタートから
「第一位」にたどり着くまで
「感謝したいこと第一位は、夫の協力です」と語るのは、茅ヶ崎で雑貨店を営む内山ゆかりさん。ご主人の直孝さんとは今年で結婚20年を迎えました。長い友達期間を経て結婚し、気づけば人生の半分を一緒に過ごしてきたお二人ですが、子育てを皮切りにいくつかの転機を乗り越えながら関係を育んできました。 「長男を出産した当時はまだスマホやネットが普及しておらず、子育ての情報が少なくて。うまく息抜きできずにいました」と振り返るゆかりさん。さらに、「次男が二歳半で自閉症と診断され、誰にも相談できずに抱え込んでしまいました」その頃、直孝さんも妻の辛さを目の当たりにしつつ、日中は仕事で不在にするもどかしさを感じていました。
次男がくれたたくさんのきっかけ
次男が療育に通い始めたことで、家族に「この子の個性を受け入れてみんなで支えよう」という団結力が生まれました。同じ境遇のママたちと出会い、世界が広がったゆかりさんは「“隠さなくてもよかったんだ”と気づき、悩んでいる人の相談相手になりたいと思うようになりました」と話します。 さらに、障がいのある子ども達が就労できる未来を目指すように。きっかけは就労継続支援事業所を見学したこと。 障がい者の手によってたくさんの素晴らしい作品が生み出されていたものの、販売される機会を失っていました。「そのままでは工賃にならず、活動自体も知られることがない。自分が“繋ぎ役”となって当事者以外にも広められたらと思い、お店で取り扱うようになりました」
偏見のフィルターをなくし、個性輝く社会にしたい
アロマストーンの教室や販売を目的に開いたお店でしたが、今は多くの障がい者作品が一緒に並びます。「商品はすべて“個性が光る作品”。そこに健常者も障がい者も関係ないので、お客さんにも敢えて説明するようなことはしません」実は、直孝さんははじめ出店に反対していたそう。 「妻のやりたいことを応援したい気持ちはありましたが、心配の方が大きくて」そんな夫をゆかりさんが半ば強引に物件の内見に誘いました。実際の店舗を見ると直孝さんも前向きに変化。事業所の作品を扱うようになってからは「障がい者というフィルターをなくすことが生きやすい世界に繋がる。その想いは同じだと実感し、妻の活動を手伝うようになりました」 イベント時の搬入や子どもの世話を積極的にし、家事も自然と分担できるように。
お互いを思いやる在り方が定着
「サポートはどちらか片方でなく夫婦共に必要。お互いに思いやる姿を子どもにも見せていきたい」と話す直孝さんに、「家族の理解がなければお店はできない。また、出会って支えてくれる人たちがいるからこそ充実した時間を過ごせています」と感謝でいっぱいのゆかりさん。今は同じ志の仲間と新しいプロジェクトを始めています。その傍に「楽しんで後悔のないように続けてほしい。体だけは崩さないで」と温かく見守る直孝さんがいました。